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外反母趾が痛い

外反母趾が痛くてパンプスが履けない場合の対処方法【シューフィッターが解説】

こんにちは。外反母趾などでお悩みの方の靴専門店、シューズ・ハチローの井口です(シューフィッター有資格者)。

外反母趾の女性は、パンプスが痛くて履けないとお困りの方が多いと思います。

外反母趾で内反小趾の足

「外反母趾のところが痛くて…。靴のあたるところを伸ばしてください。」

このように、外反母趾の痛みで困っている多くの方は、靴の幅を広げてほしいとおっしゃいます。勿論それも間違いではないのですが、幅伸ばしだけでは解決しないことも多いです。

「靴幅を広げることだけが対処方法ではありませんよ」

「え!!他に何か解決方法があるの?」

「はい。それはインソールを使用した対処法で、これは(靴内での)足幅を狭くすることによって痛みを和らげようとする方法です。」

今回の記事で解説する内容は、パンプスに限らず、スニーカーやローファー、サンダル等にも共通するのですが、パンプスは特にフィッティング難易度の高い靴なので、主にパンプスでお困りの方に書いています。

「この記事に書いてある対処法を実行すれば、パンプスを履いた時の外反母趾の痛みが軽減される可能性があります。それだけでなく、外反母趾を痛めにくいパンプスを選ぶのに役立つ知識も得られます。」

なお、シューズ・ハチローでは現在パンプスはあまり扱っていませんが、パンプス風のシューズは扱っています。

目次

●インソールを使用するにあたって注意したい3つのこと

まず初めに、インソールを使用する上で注意して頂きたいことがあります。下記の3点です。

  1. 足と靴ができるだけフィットしていることが前提
  2. パンプスは履きやすさよりもファッション性を優先したモノが多いと割り切る
  3. 靴は正しく履くこと(レースアップパンプスやマジックテープストラップ付きのパンプスの場合)

それぞれ解説します。

(1) 足と靴ができるだけフィットしていることが前提

フィッティングが大幅に合っていないパンプスは、インソールを使用しても効果を実感しにくいです。

キツ過ぎる靴は足に良くないことは理解して頂けると思いますが、外反母趾のかたは大きめのサイズの靴を選んでいることが多いんです。

大きめのサイズや幅広の靴のほうが楽そうに思うけど…。

そう思っている方は多いのですが、実はそれだと返って痛くなることが多いですね。

その理由は、足が靴のカカト周りと甲周りでしっかりとホールドされていないので、足が前滑りしてしまい、足指が靴の前方に押し込められてしまうからです。

多くのパンプスのフォルムは前方ほど狭くなっているので、足が前方に突っ込まないように前滑りを防止しないといけません。

「もし、かかとがパカパカと脱げるようでしたら足が前滑りしている可能性がありますよ。」

カカトが脱げる

許容範囲内であればインソールを使用することで前滑りも改善しますが、フィッティングが大幅に合っていない場合は極めて難しいです。この辺の見極めはご自身の判断だけでは難しいので、シューフィッター等の専門家に相談することをお勧めします。

外反母趾のかたが必要以上に幅広の靴を履くことはお勧めしません。詳しくは以下の記事をお読みください。

(2) パンプスは履きやすさよりもファッション性を優先したモノが多いと割り切る

デザインパンプス

パンプスは基本的に歩くことに適した設計・構造にはなっていないので、インソールを使用しても履きやすさの向上には限度があり、スニーカーやウォーキングシューズほどの快適な履き心地にはなりません。残念ながらポインテッドトゥ等のデザイン性が高いパンプスほど、理想的な履き心地にするのは難しいと考えた方が良いです。パンプスを履く時はその辺の割り切りが必要です。

「コンフォートパンプス」や「ウォーキングパンプス」と呼ばれる、デザイン性と機能性を両立して作らたパンプスであっても一般的なウォーキングシューズ等と比べると、履きやすさ、歩きやすさでは劣ることが多いです。

(3) 靴は正しく履くこと(レースアップパンプスやマジックベルト付きのパンプスの場合)

「靴紐を結んだまま脱ぎ履きしていませんか?」

「え!!面倒だから靴紐は結んだままよ。てゆーか靴紐って飾りじゃないの?」

「飾りで付いている靴紐もありますが、基本的には靴紐は足のホールド感を調整するという役割があります。」

レースアップパンプス等の場合、正しく履いていない方が多くいます。サイズが合っていても、靴紐がユルいと足が前滑りしてしまい、かかとが脱げやすくなり足指周りを痛めやすくなります。

紐靴やマジックベルトの靴は、下の写真のようにカカトを「トン」と床につけてつま先を上げた状態で紐やマジックベルトをしっかりと締めます。

パンプスの履き方

「サイズが合っていても履き方に問題があるケースでは、靴を正しく履き直すだけで痛みが和らぐこともありますよ。」

●インソールの主な役割は足のアーチをサポートすること

アーチサポートインソール

「インソールって靴の中敷きのことでしょ?」

「そうなんですが、ここで言うインソールとは、足裏のアーチサポート機能を備えたもので、フラットな形状のインソールではありません。足裏に合わせて立体的な形状になったものです。」

・足のアーチはクッション機能を担っている

足の3点アーチ

人間の足は、足裏の内側、外側、横の3か所がアーチ状になっています。

内側のアーチは一般的には「土踏まず」と呼ばれています。

「なんでアーチ状になっているの?」

「歩くときに地面からの衝撃を抑えるためです」

足のアーチは、体重がかかると下がり、体重がかかっていない時は上がります。歩いている時に足はこのアップダウンの動きを繰り返しています。

アーチの役割

「なんかスプリングみたいね」

「そうなんです。このように足のアーチがスプリングのように機能してくれるおかげで、着地時の衝撃が少ないんです。
もし足にこのクッション機能がなかったら痛くて歩くのがつらいですよ。」

・外反母趾はアーチの低下と関係している

外反母趾進行ステップ

足の横アーチが低下してくると、足幅が横に広がってしまいます。横アーチが低下した状態は開張足と呼ばれ、開張足が進行するとやがて外反母趾になる可能性があります。

ちなみに内側の縦アーチが低下したままの状態は扁平足と言われ、外反母趾の方には縦アーチも低下している方が少なくありません。

(本当の扁平足や外反母趾かどうかは医療機関でないと診断できません)

偏平足

「外反母趾は開張足を抑えることが重要です。そのためにインソールが役に立ちます」

・外反母趾の方にインソールが効果的である(主な)3つの理由

「インソールで低下したアーチを支えると足が楽になりって歩きやすくなります。

インソールを使用することのメリットはいくつかありますが、今回は3つだけ解説します。下記の通りです。

  1. 開張足を抑制でき、内反小趾(小指の痛み)対策にも有効
  2. 足裏にできるタコやウオノメ対策にも有効
  3. 足が過剰に内側に倒れること(過回内)を抑制できる

それぞれ解説します。

(1) 開張足を抑制でき、内反小趾(小指の痛み)対策にも有効

横アーチアップ

アーチサポート付きのインソールの上に足を乗せた状態というのは、低下した縦のアーチと横のアーチがアップしています。低下した横アーチがインソールによって押し上げれると、靴内での足幅がある程度狭くなるので、外反母趾の痛みが和らぐことが期待できます。

また、外反母趾の方は小趾(足の小指)に痛みがある方も多く、小趾が親指側に曲がっていて「内反小趾(ないはんしょうし)」と呼ばれるのですが、小趾の痛みも横アーチのサポートで和らぐことがあります。

内反小趾

(2) 足裏のタコやウオノメ対策にも有効

タコや魚の目

横アーチ低下の状態だと、足裏の指の付け根辺りにタコやウオノメができやすくなります。タコやウオノメができる部分は、圧力がその部分にかかり過ぎているのです。

これは、アーチの低下によって足のクッション機能が発揮されていないことが影響しています。

インソールでアーチを支えてあげると、圧力が分散されるのでタコやウオノメもできにくくなります。

(3) 足が過剰に内側に倒れることを抑制できる

オーバープロネーション

人間の足は、歩行時に足が着地すると、足の内側縦アーチが下がり、足が内側に傾きます。

これを「回内(またはプロネーション)」と言います。この回内という動きのおかげで地面からの衝撃を抑えられるのです。

しかし、内側縦アーチが低下している方は、常に足が回内状態になり、歩行時の衝撃吸収ができなくなります。この状態を過回内(またはオーバープロネーション)と言います。

前述の通り外反母趾の方は、縦アーチも低下していることがあります。

「過回内は様々な足のトラブルの要因となります。インソールの縦アーチサポートによって、過回内も抑制することができ、歩行が安定します」

●インソールと相性の良いパンプスはこんなタイプ。2つ紹介!!

「インソールってどんなパンプスにも入れられるの?」

基本的にほとんどのパンプスに入れられるのですが、インソールの効果の出やすさは、パンプスのタイプに左右されます。どんなパンプスがインソールを入れるのに適しているのかを解説します。

(1) ストラップパンプスやレースアップパンプス

レースアップパンプス

上の写真のようなストラップ付のパンプスやレースアップタイプのは開張足を抑制しやすいのでお勧めです。

・ストラップの位置が重要。それとマジックテープ式がお勧め。

ストラップの位置

ストラップは、時計のベルトのように穴の位置で調整するタイプよりも、マジックテープタイプがベターです。足に合わせて微調整しやすく、甲周りをしっかりとホールドできるからです。

それと、ストラップの位置はパンプスのデザインによって違いますよね。つま先に近い部分に付いたモノや、足首周りに付いたモノなどあります。

お勧めの位置は、上の写真のパンプスのような甲の上のほうです。

理由は、下の写真のように開張足は足の中足骨という部分が広がってくるので、この骨の位置にストラップがあると、開張足を抑制しやすいからです。

中足骨の位置をストラップでホールド

・シューズバンドを使う手もある

「わたしストラップ付きのパンプス持ってないんだけど…」

「ストラップのないパンプスはシューズバンドというモノをお勧めします。これは、カカト脱げする場合にもお勧めです。」

シューズバンド

コロンブス社の「ミュールバンド」がお勧めです。メリットを3つ挙げます。

  1. マジックテープ式なので取付が簡単。
  2. 長さが「レギュラー」と「ショート」の2種類から選べる。
  3. カラーが「クリア」と「ブラック」の2種類から選べる。
コロンブスオフィシャル楽天ショップで買う

(2) 取り外しのできるインソールの入ったパンプス

インソール取り外し可能なパンプス

パンプスによっては、予め取り外し可能なインソールが入っていることがあります。

このようなパンプスは、その純正インソールを取り外して、市販のインソールやオーダーインソールに入れ替えることができるので、フィッティングがキツくなりにくいというメリットがあります。これによってサイズアップする必要がなくなります。

また一般的なパンプスは、インソールを入れることによって、インソールの厚みの分カカトが浅くなるので、カカトが脱げやすくなる場合がありますが、予めインソールが入っているパンプスは、カカトが浅くなりにくいというメリットもあります。

●パンプスにおすすめのインソール3選

(1) DSISソルボ外反母趾対策フルインソールタイプ

↓ブラック

↓アイボリー

このインソールは人工筋肉と言う弾力性があってヘタリにくい素材を使用しており、スリムな形状なのでパンプスに収まりやすく、厚みも薄いので、キツくなりにくいです。

サイズは「2S / S / M / L」の4種類で、カラーはブラックとアイボリーの2色があります。

ハーフインソールタイプもあり、こちらは前足部をキツくしたくない場合にお勧めです。サイズは「2S / S / M」の3種類で、カラーはベージュの1色です。

(2) ドイツ靴FinnComfort(フィンコンフォート)純正インソール

フィンコンフォートインソール

フィンコンフォートの全モデルには、アーチサポートインソールが入っています。コルク材を使用しているものが多いので耐久性が高く、表面の革は汚れたら張り替えることができます。更にお客様の足に合わせてアーチ部の調整や材料のクッション性をカスタマイズすることもできます。

フィンコンフォートインソール

このインールはフィンコンフォート専用設計なので、このインソール単体で購入もしても他社さんの靴には入りません。

フィンコンフォートの中心価格帯は3から4万円台と決して安くはありませんが、修理をしながら大事に履けば10年は持ちますので、良いモノを長く使いたいとお考えの方や、足の健康意識の高い方にはお勧めです。

フィンコンフォートにはパンプスはありませんが、下の写真のようなパンプス風のデザインはあります。ファッション性重視のパンプスが合わない方にはお勧めです。

写真は輸入元様のカタログを使用させて頂いております

また、既にFinn Comfortを履いている方は、当店のアウトレット専門のウェブショップをご利用頂けます。

(3) 足裏に合わせて作るセミオーダーインソール

オーダーインソール材料

「アーチの位置や高さは人によって様々です。オーダータイプのインソールであれば、アーチの位置や高さ、素材の硬さをお客様の足に適したもので作ることができるものがあります」

当店で作製しているインソールは「セミオーダー」タイプですが、足の痛みや変形が重度でなければ、十分に履き心地が向上して歩きやすくなります。

・オーダーインソールはアフターフォローのあるお店で注文するのがお勧め。

アフターフォロー

当店では、オーダーインソールをお渡し後も、フィッティング調整をしています。

オーダーインソールは、足に合うかどうかは、お店でちょっと歩いただけではわからないことが多いので、しばらく使用して足に馴染まない場合は、調整してくれるお店で購入することをお勧めします。またインソールによっては調整ができないタイプもあるので、注文前に確認するのが良いでしょう。

「アーチが低下しているからと言って、必要以上にアーチを押し上げてしまうと、かえって痛みが出たり歩きにくくなることがあるので、アフターフォローがあることは大事です」

当店のセミオーダーインソールの詳細はこちらをご覧ください。

●まとめ

以上となります。まとめを記載しますので復習としてお読みください。

●インソールを使用するにあたって注意したい3つのこと

  1. 足と靴ができるだけフィットしていることが前提。
  2. パンプスは履きやすさよりもファッション性を優先したモノが多いと割り切る。
  3. 靴は正しく履くこと(レースアップパンプスやマジックテープストラップ付きのパンプスの場合)。

●外反母趾は足のアーチ低下と関係しているので、インソールでアーチをサポートすると、外反母趾の痛みが和らぐ可能性がある。タコやウオノメもできにくくなり、小指の痛みも和らぐことがある。


●インソールと相性の良いパンプスは以下の二つ

  1. ストラップパンプスやレースアップパンプス
  2. 取り外し可能なインソールが入っているパンプス

●パンプスにお勧めのインソール3選

  1. 「DSISソルボ外反母趾対策フルインソールタイプとハーフインソールタイプ」/薄型でスリムな形状なのでキツくなりにくく、パンプスに収まりやすい。
  2. 「ドイツ靴FinnComfort純正インソール」/フィンコンフォートの全モデルに予め入っているインソール。表面の革は汚れたら張り替えることができ、お客様の足に合わせてカスタマイズすることもできる。
  3. 「セミオーダーインソール」/アーチの位置、高さ、素材の硬さをお客様に合わせて作製できるものが多い。オーダー系のインソールはアフターフォローしてくれるお店で作ってもらうのがお勧め。

外反母趾の靴選びでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

●来店予約・お問合せ

当店は、お一人お一人じっくりと対応させて頂いておりますので、ご予約優先制となっております。 初めて来店される方は足型計測をさせて頂きます。 来店予約、ご不明な点は以下のフォームかお電話にてお気軽にお問い合わせ下さい。

予約

●追伸【無料で読めるものもあり!!】足と靴でお悩みの方にお勧めの本2選

最後にお勧めの本を紹介させて下さい。

1冊目は、靴の大切さを啓蒙している整形外科医の塩之谷香先生が書かれた本で、日本人の靴の選び方がいかに間違っているかを大変わかりやすく解説しています。


2冊目は、中敷調整に特化した専門店の西村泰紀さんが書かれた本で、靴選びでお困りの女性向けに書かれています。靴のサイズ選びやフィッティングのポイント、市販インソールの活用方法等がわかりやすく解説されています。

また、この本はAmazonが提供する電子書籍の定額制サービス”Kindle Unlimited”でも読めます。”Kindle Unlimited”とは、月額980円で200万冊以上の書籍(マンガや雑誌もあり)が読み放題のサービスです。初めての方には無料お試し期間が30日間あり、その間に読み終えて解約すれば費用もかかりませんので是非お試しください。(※解約手続きをしなければ自動継続となります)

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