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靴のサイズについて

靴選びで役立つサイズの知識を5つ解説

こんにちは!外反母趾などでお悩みの方の靴専門店、シューズ・ハチローの井口です(シューフィッター有資格者)。

同じサイズの靴でも、メーカーによって足入れ感がちがうのよね~。

そうですね。その理由は様々で、靴の表記サイズはあまり当てにならないです。

今回は、靴のサイズの選び方がイマイチわからないという方に向けての解説記事です。
この記事を読むことによって、サイズの選び方に関する知識が身に付き、靴選びで失敗することが減ります。

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◆サイズに関する、これだけは抑えたい5つのポイント

靴のサイズに関しての重要なことはいくつかありますが、特に次の5つは抑えて頂きたいです。

  1. 靴には捨て寸が必要
  2. 靴の種類によってサイズの表記方法が違う
  3. サイズ(長さ)以外にチェックしたい4つの要素
  4. 靴はきちんと履くこと
  5. 足型計測で自分の足の本当のサイズを知る

それぞれ解説します。

pt1. つま先には適切なスペースが必要

捨て寸

靴のつま先部分には、スペースが必要です。
なぜかというと、歩行時には土踏まずが低下して足が伸びるからで、スペースがないと足指が靴に当たってしまうからです。

そのスペースは「捨て寸」と呼ばれ、靴合わせでは必ず捨て寸が必要です。
どの程度の捨て寸が適切なのかは靴によって違いますが、1~1.5cm程度が基本で、ロングノーズの靴(つま先を長くしているデザインの靴)はそれ以上の長さになります。

ロングノーズでもない靴で、捨て寸が多過ぎる場合は、サイズが合っていない可能性が高いです。

適正な捨て寸

pt2. 靴のサイズ表記方法は2種類ある

サイズ表記の種類

靴のサイズ表記法は「足入れサイズ」と「靴型サイズ」 (「木型サイズ」とも言います) の2種類があります。

(1)足入れサイズ

足入れサイズとは、靴の内寸全長が表記サイズよりも長くなっているもので、パンプスやウォーキングシューズ、ビジネスシューズ、タウンシューズ等に多いです。

下の写真の靴は22cmです。

中敷の全長を測る

この靴に入っているインソールを取り出して全長を測ってみると23.1cmあります。なので靴に表記の22cmよりもプラス1cm弱長くなっています。

表示サイズよりも長い

「足入れサイズ」とは、 このように表記サイズよりも長くなっているものです。
この靴では、足長(足の全長)が22cmの方が履いた場合に、つま先に1cm程度の捨て寸ができる設計となっているのです。

足入れサイズの靴は、自分の足の実寸と同じサイズの靴を選ぶのが基本です。
例えば自分の足が23cmであれば、23cmと表記された靴を選ぶという具合です。

ただ、足入れサイズ表記の靴であっても、足の実寸よりもハーフサイズ程度大きなサイズを選んだほうが良い場合もあります。それは横幅や甲周りがキツイ場合や、捨て寸が短い靴の場合等です。

足入れサイズの靴なのに、自分の足の実寸より2サイズ以上も大きいものを履いている方が多くいますが、これは明らかに足と靴がフィットしていません。

(2)靴型サイズ

サイズ表記の種類

靴型サイズとは、上の写真の右側の靴のように内寸全長が表記サイズとほぼ同じで、捨て寸を含んでいません。この表記方法はスニーカー等に多いです。

例えば、靴型サイズ表記で23.0cmという靴でしたら、靴の内寸全長もほぼ23.0cmです。もし足長23.0cmの方がこの靴を履いた場合は、捨て寸がないので指先を痛めてしまいます。

なので、24.0~24.5cmのサイズを選ばなければなりません。という具合に靴型サイズ表記の靴を買う場合は、自分の実寸足長よりも長いものを選ぶのが基本です。

pt3. サイズ(長さ)以外にチェックしたい4つの要素

足と靴がフィットした状態というのは、単にサイズが合っている状態ではありません。

靴選びにおいてサイズ以外にも重要な要素は色々ありますが、今回は以下の4つをピックアップして解説します。

  1. 足囲と足幅
  2. つま先の形
  3. つま先の高さ
  4. カカト部分の幅

それぞれ解説します。

(1)足囲と足幅

足囲と足幅

靴は同じサイズでも、太さ(足囲またはボールガースと言います)と、横幅(足幅やボールウイズと言います)が違います。

足囲とは、靴幅の一番広い部分の周径のことで、足幅は靴幅の一番広い部分の横幅のことです。

靴底の裏に「EE」や「EEE」と書かれているのを見たことありませんか?あれが足囲を表す記号です。

足囲と足幅がキツ過ぎると足が痛くなりますし、緩いと足が靴内で動いてしまい歩きにくくなるので、この部分もフィッティングの重要ポイントです。
足囲と足幅についての詳細は以下の記事をお読み下さい。

(2)つま先の形

つま先の3タイプ

人のつま先の形は様々です。
大雑把に分類すると、上の写真のように母趾(親指)が一番長いタイプ、第二趾が一番長いタイプ、足指が5本とも同じぐらいのタイプ等、人によって違います。

靴のつま先の形もシャープなもの、丸みのあるもの、四角いもの等、色々とありますが、足のつま先の形と靴のつま先の形がミスマッチだと、窮屈に感じて歩きにくくなり、足指も痛めてしまいます。

靴のつま先の種類

デザイン性を優先した靴は、シャープなつま先型が多いですが、履きやすさを優先するのであれば、なるべく足なりのつま先型の靴を選びましょう。

つま先のフォルム比較

(3)つま先の高さ

つま先の高さ

靴によって、つま先部分の高さも違います。
足と靴のつま先部分の高さが合わないと、足指(特に親指)が上から圧迫されてしまうので、つま先の高さも重要です。

特に巻き爪の方は、より高さが必要となります。

(4)カカト幅

カカト幅

靴によってカカト部分の幅も違います。カカト幅がピッタリとあっていないと、カカトが脱げやすくなって歩きにくいです。

EEEやEEEE等の足囲の太い靴は、カカト幅も広いものが多いので(例外あり)、カカトのフィット感も必ずチェックしましょう。

足囲が太いとカカト幅も広い

こんなにチェックポイントがあるんですね~。自分だけで選ぶのは大変ですよ~。

そうなんです。チェックポイントは他にも色々とありますよ~。なので、シューフィッター等の専門家の手を借りることをお勧めします。

pt4. まずは足型計測で自分の足の本当のサイズを知ること

足型計測

ほとんどの方が自分の足の本当のサイズを知らず、「普段履いている靴のサイズ=足のサイズ」と思っています。

本当のサイズを知らない方は、専門店で足を計測してもらうことをお勧めします。自分の足の特徴を正しく知らなければ、フィットした靴を見つけることが出来ないからです。

pt5. 靴は正しく履く(ひも靴等の場合)

きちんと合ったサイズの靴を選んでいても、緩かったり、キツかったりすることがありますが、それは靴を正しく履いていないことが原因の場合があります。

日本人は、靴ひもを結んだままの状態で脱ぎ履きする方が多く、しかも緩めに結んでいます。

これでは足が靴にしっかりとホールドされていないので、足が前滑りします。
前滑りすると、足指が靴のつま先にあたり、カカトも脱げやすくなります。

ひも靴は本来は以下のように履くものです(※ひも靴だけでなくてマジックベルトの靴も同様)。

まず、ひもを十分に緩めて、必ず靴ベラを使い足を滑らせるように履きます。靴ベラを使わないと靴のカカト周りが型崩れします。

ひも靴の履き方01

次にカカトを「トン」と床につけてつま先を持ち上げ、靴ひもをつま先の方からしっかりと締めてゆきます。このようにカカトをピッタリと隙間なく合わせるのが重要です。カカトに隙間が空いていると、その分足が前方にズレているので、足指が靴とあたりやすくなります。

紐靴の履き方02

ひもは緩めではなく、しっかりと結ぶことが重要です。

◆大きめのサイズを選んでいる方が多い理由

私はウォーキングシューズは24.0cmをよく履くんですけど、足型計測の結果、適合サイズが23.0cmでした。

お客様のように、自分の足の適合サイズよりも大きいサイズのウォーキングシューズやビジネスシューズ等を履いている方を多く見かけます。

へーそうなんですか?ナゼですか?

理由の1つはスニーカーと同じサイズで選んでいることが多いからです。

前述の通り、スニーカーは靴型サイズのものが多いので、自分の足の実寸よりも大きいサイズを選んでもあまり問題はありません。

しかし、ビジネスシューズやウォーキングシューズ等は、足入れサイズのものが多いです。スニーカーと同じサイズでそれらの靴を選んでしまうと、必要以上に大きいサイズを履くことになります。

レースアップタイプのウォーキングシューズやビジネスシューズ等は、ルーズなフィット感でも違和感なく履けてしまうことが多いので、本人にはサイズのミスマッチ感がありません。

ですが、適切なサイズの靴を履いた時と比べると、やはり歩きやすさが違います。適切なサイズの靴を履く方ほうが、軽く感じて足と靴の動きの一体感が高まります。

また、大きいサイズを履くことの問題の一つは、無意識に脱げないようにと踏ん張ってしまうので、歩き方も不自然になることです。

※スニーカーでも足入れサイズのものもあり、ウォーキングシューズでも靴型サイズのものあるのでご注意下さい。

◆ネットでの購入はハイリスク

ネットショッピング

これまで説明してきた通り、靴は同じサイズでも様々な理由で足入れ感にバラつきがあります。

なので、初めて履く靴をネットで購入するのは失敗するリスクが高くてギャンブル的です。

ネットショップでは、スタッフや購入者によるサイズ感のレビューを掲載していることがあります。

でも、人の足の特徴は千差万別です。レビューも多少は参考になるかもしれませんが、やはり実際に履いてみないとわかりません。初めて買う靴は、ネットではなく、実店舗で買うのが無難です。

でも、サイズが大きかったらインソール(中敷き)で調整すれば何とかなるのでは?
あと、小さくてキツかったら革を伸ばしてもらえばいいじゃないですか?

そう思いますよね?
ですが、調整で改善できるのは、ほんの少しフィットしていないというレベルで、大幅にフィットしていない状態ではどうにも出来ません。「サイズが合わなかったら近所の靴屋さんや修理屋さんで調整してもらえばいいや」と安易に考えてはいけません。

当店には、ネットで買った靴が合わなくて、何とか履けるようにしてほしいという依頼もありますが、残念ながら足と靴が大幅に合っておらず、調整しても改善できないことが多いです。

※現在、当店は他店様で購入された靴の調整はお受けしておりません。

◆まとめ:サイズ表記は鵜呑みにせず、フィッティングを重視すること

足入れサイズ、靴型サイズに関係なく、靴は同じサイズであっても、メーカーによって足入れ感が違いますし、同じメーカーの靴であっても、木型やデザイン等が違えば、サイズ感は違います。

なので、サイズ表記は目安にする程度に留め、実際に履いて確かめることが重要です。

また、靴店は自店で扱う靴の足入れ感を知らなければ、お客様の足に適した靴を提案することができません。きちんとした靴店であれば、自店で扱う靴をスタッフが試し履きして、足入れ感を確かめているはずです。

以下は、靴のサイズに関する知っておきたい5つのポイントのおさらいです。

  1. つま先には捨て寸が必要
  2. 靴のサイズ表記は「足入れサイズ」と「靴型サイズ」の2種類があるので、フィッティング時には注意すること
  3. 靴のフィッティングは、サイズ以外にも重要なチェックポイントがある。(1)足囲と足幅。(2)つま先の形。(3)つま先の高さ。(4)カカト幅
  4. 「普段履いている靴のサイズ=自分の足のサイズではない」。足型計測をしてもらって、自分の足のサイズを正しく知ること
  5. ひも靴等は正しく履くこと

◆来店予約・お問合せ

靴選びでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。
また、この記事が参考になりましたらSNS等でシェアして頂けると嬉しいです!

当店は、お一人お一人じっくりと対応させて頂いておりますので、ご予約優先制となっております。
初めて来店される方は足型計測をさせて頂きます。来店予約、ご不明な点は以下のフォームかお電話にてにお問い合わせ下さい。

予約

◆追伸【無料で読めるものもあり!!】足と靴でお悩みの方にお勧めの本を2冊紹介

最後にお勧めの本を紹介させて下さい。

1冊目は、靴の大切さを啓蒙している整形外科医の塩之谷香先生が書かれた本で、日本人の靴の選び方がいかに間違っているかを大変わかりやすく解説しています。


2冊目は、中敷調整に特化した専門店の西村泰紀さんが書かれた本で、靴選びでお困りの女性向けに書かれています。靴のサイズ選びやフィッティングのポイント、市販インソールの活用方法等がわかりやすく解説されています。

また、この本はAmazonが提供する電子書籍の定額制サービス”Kindle Unlimited”でも読めます。”Kindle Unlimited”とは、月額980円で200万冊以上の書籍(マンガや雑誌もあり)が読み放題のサービスです。初めての方には無料お試し期間が30日間あり、その間に読み終えて解約すれば費用もかかりませんので是非お試しください。(※解約手続きをしなければ自動継続となります)

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